B’AIのウェブサイトへようこそ

私たちは、AI時代における情報テクノロジーとジェンダーやマイノリティの関係を考え、課題を発見し、解決に向けた提言をしていく研究者・実務家グループです。このフォーラムは、東京大学Beyond AI研究推進機構のプロジェクトとして、2020年9月に立ち上がりました。

B’AIはBehind AI, Beneath AI, Before AIなど、AIにまつわるいろいろな“B”を発見し、ジェンダー平等な社会、マイノリティを尊重する世界を考えていこうというものです。みなさんも私たちといっしょに、情報テクノロジーの利用について、考えていきませんか。

ごあいさつ

このたび、東京大学に「Beyond AI研究推進機構」が発足しました。
これは、AIというテクノロジーをさまざまな観点から包括的に研究する組織です。

では、「AIを包括的に研究する」とはどういうことでしょうか。

私たちは、大学でAIに関する大型研究プロジェクト群を立ち上げるからには、技術面の発展の寄与のみならず、AI技術を可能にし、成立させた社会背景、組織や制度はどのようなものだったのか、そしてAI技術はいま、だれによって開発され、どのように利用されて社会に普及し、何が期待されているのかを、人文社会科学的見地から検証、調査するプロジェクトが必須だと考えます。

そこで、私たちは、この「B’AI グローバル・フォーラム・プロジェクト」を立ち上げました。
新たな技術は、決して、まっさらでフラットな、“真空”空間に導入されるわけではありません。

それは、社会におけるマジョリティからマイノリティへ向かう権力構造ができあがっている世界、既得権益を守ろうとする力が働く社会、言い換えれば、私たちがいま現実に暮らしている生活世界に埋め込まれていくものです。したがって、新たな技術は常に社会の革新をもたらすとともに、既存の権力構造の再生産という、両義的な可能性をはらんでいることを理解する必要があります。

AIという技術も、権力の濫用やマイノリティへの差別、富の分配の不平等から生まれる格差が存在する社会で、今後ますます活用されていくでしょう。すでに、AIという新たな知は、イノベーションだけなく、女性やマイノリティに対する排除や暴力をも生み出すことが報告されています。また、これまでの法体系や制度秩序、倫理を組み替えるラディカルな側面も持ち合わせています。こうした現実を直視し、被害の深刻さへの想像力を涵養し、その認識とともに、一層の技術と社会の発展を目指すこと、これがこのB‘AIグローバル・フォーラム・プロジェクトの大目標です。

以上の観点から、本プロジェクトは、とりわけ「ジェンダー」と「マイノリティ」というレンズを通して、AIの現状と未来を反省的かつ批判的に検討していきます。

東京大学には、大学が「新たな時代への社会変革を駆動するプラットフォーム」となるために、「すべての人が持てる力を発揮し、また、価値観の多様性が認められ、それが社会の発展に繋がる、持続可能でインクルーシヴな社会」を目指す責務が課せられています(https://www.u-tokyo.ac.jp/focus/ja/articles/z1311_00036.html)。このようなダイバーシティ・インクルージョン(多様性の包摂)社会を実現するために、私たちは国境を越えた産官学連携、分野横断的な研究にまい進し、本プロジェクトを運営してまいります。どうかみなさんのお力をお貸しください。

2021年2月
林香里