2025.May.19
EVENTS2025年度第1回BAIRAL研究会
「見守ることと見守られること:環境デザインが防犯と出会うとき」
◇BAIRALとは
BAIRALは、東京大学Beyond AI推進機構B’AI Global Forumの若手RA(リサーチアシスタント)が主体となり、月に一回のペースで開催している研究会です。B’AI Global Forumでは、AI社会におけるジェンダー平等とマイノリティの権利保障という社会目標の実現に向けて研究を進めております。その一環として、BAIRALではデジタル情報技術と社会の関係について理解を深めるために、隔月、様々なゲストスピーカーの方にお話しいただいております。
◇開催情報
・日時:2025年06月11日(水)17:00-18:30
・場所:Zoomミーティング(事前申し込み不要)
https://u-tokyo-ac-jp.zoom.us/j/88272485472?pwd=v8bO6rKKCYPsCLbbNbUOF3dFwpovmd.1
ミーティングID: 882 7248 5472
パスコード: 318962
・使用言語:英語
◇ゲストスピーカー
Dr. Sihan YANG 特任研究員、まちづくり(小泉秀樹)研究室、東京大学
◇趣旨
日本は比較的犯罪率の低い安全な国として広く認識されており、伝統的な取り締まりとテクノロジーを駆使した介入が共存している。特筆すべきは、犯罪防止が単に司法の問題ではなく、環境デザインの分野とも深く関わっていることだ。治安と都市景観の関係を調べるという発想は、1961年のジェーン・ジェイコブスの「路上の目」にまで遡ることができる。その後、無防備空間(Defensible Space)や防犯環 境設計(CPTED)などの理論が、現代の環境犯罪学へのアプローチを大きく形成してきた。
ここ数十年、日常環境におけるセンサー、アクチュエーター、監視装置の普及は、犯罪防止に関わる要因の結びつきに新たな層を加えている。スマートシティの文脈におけるセキュリティ問題を探るため、講演者は日本の兵庫県加古川市でフィールドワークを行った。この調査では、新たに考案したCPTEDの評価フレームワークに基づく環境アセスメントと、住民の安全に対する認識、防犯活動への参加、公共監視の受け入れを調査するアンケート調査が行われた。その結果について、現地の観察と文脈の詳細に基づいて議論する。
端的に言えば、監視され、監視する経験に情報を提供し、スマートで安全な都市を開発するための強固な基盤を形成するためには、人、デバイス、環境の関係をよりダイナミックに理解する必要がある。さらに重大なことは、日本の犯罪率が2022年に20年来の減少に終止符を打ち、その後は一貫して増加傾向を示していることである。このことは、私たち一人ひとりが、普通の個人として何ができるのか、そしてもはや無視できないことは何なのかについて考えることを求めている。
◇主催
東京大学Beyond AI研究推進機構B’AI Global Forum
◇お問い合わせ
プリヤ・ム(B’AI Global Forum リサーチ・アシスタント)
priya-mu[at]g.ecc.u-tokyo.ac.jp([at]を@に変えてください)