2025.Jul.20
EVENTS2025年度第2回BAIRAL研究会
「子ども研究を通してみるAI社会」
◇BAIRALとは
BAIRALは、東京大学Beyond AI推進機構B’AI Global Forumの若手RA(リサーチアシスタント)が主体となり、月に一回のペースで開催している研究会です。B’AI Global Forumでは、AI社会におけるジェンダー平等とマイノリティの権利保障という社会目標の実現に向けて研究を進めております。その一環として、BAIRALではデジタル情報技術と社会の関係について理解を深めるために、隔月、様々なゲストスピーカーの方にお話しいただいております。
◇開催情報
・日時:2025年07月30日(水)18:00-19:30
・場所:Zoomミーティング(事前申し込み不要)
https://u-tokyo-ac-jp.zoom.us/j/87869100850?pwd=YrfZkljiRrFOCXybYP2K8a9N5az9RZ.1
ミーティングID: 878 6910 0850
パスコード: 038483
・使用言語:日本語
◇ゲストスピーカー
Dr. Xiao ZHOU 助教、人文社会系、筑波大学
◇趣旨
本講演では、AIによるディープフェイクや仮想空間における性犯罪の事例を通して、デジタル時代における既存法の限界を明らかにし、これらの問題に対して、既存の児童研究から重要な示唆が得られることを主張する。
まず、人間中心主義に基づき、児童は「人間」でありながら、ロボット(AI)と同様に扱われる場面があることを指摘する。特に、司法制度において極めて重要視される「責任」という概念の文脈では、児童もAIと同様に、「責任の主体」として曖昧な位置づけに置かれがちである。
こうした状況に対して、関係論的アプローチに立脚した児童研究は、「児童」を対象化/主体化する従来の枠組みを乗り越え、児童がさまざまな関係性の中でどのように「構成(composed)」されてきたのかに注目する。この視点により、「責任」という概念そのものを再構成する手がかりが得られる可能性がある。
したがって、今後のAIに関する法整備において、児童研究のこうしたパースペクティブは、既存法の限界を乗り越えるための一つの可能性と方向性を提示し得ると考えられる。
◇主催
東京大学Beyond AI研究推進機構B’AI Global Forum
◇お問い合わせ
毛 雲帆(B’AI Global Forum リサーチ・アシスタント)
maoyunfan0254[at]g.ecc.u-tokyo.ac.jp([at]を@に変えてください)