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2025年度第3回BAIRAL研究会
「『倫理設計』におけるAIの起源を再考する」

◇BAIRALとは
BAIRALは、東京大学Beyond AI推進機構B’AI Global Forumの若手RA(リサーチ・アシスタント)が主体となり、月に一回のペースで開催している研究会です。B’AI Global Forumでは、AI社会におけるジェンダー平等とマイノリティの権利保障という社会目標の実現に向けて研究を進めております。その一環として、BAIRALではデジタル情報技術と社会の関係について理解を深めるために、隔月、様々なゲストスピーカーの方にお話しいただいております。

◇開催情報
・日時:2025年9月2日(火)17:00-18:30(日本時間)/9:00-10:30(ナイジェリア時間)
・場所:Zoomミーティング(事前申し込み不要)
https://u-tokyo-ac-jp.zoom.us/j/4062004262?omn=87365613579
ミーティングID: 406 200 4262
・使用言語:英語

◇ゲストスピーカー
H・ティティローラ・オロジェデ氏(ナイジェリア国立オープン大学 哲学科 准教授・学科長)

◇趣旨
 2022年11月に生成系AI(GenAI)の一種であるChatGPTが登場して以来、人工知能(AI)は教育、医療、産業、農業など、あらゆる分野に影響を与える注目の技術となっています。その影響はほとんど全ての場面に及んでいます。こうした状況を受け、学術界、国際機関、民間企業などからAIの倫理に関する提案が300件以上も出されています。これらの提案は、AIの恩恵をいかに公共の利益のために活用できるかに焦点を当てています。
 しかし、その多くは1956年のダートマス会議を起源とする西洋中心的な視点に偏っており、非西洋社会におけるAIの歴史的ルーツや価値観に目を向けた提案はほとんど見られません。
 AIの前段階ともいえる思想は存在していたのでしょうか? そうした思想は、AIの「倫理設計」にどのような影響を与えるのでしょうか? 本講演では、AIの脱植民地化に関する視点が提示されます。アジアやアフリカの視点から見たAIの初期の歴史に触れつつ、偏見やステレオタイプ、排除といった長年の課題に加え、ウブントゥ哲学の知見を用いながら、ジェンダーと技術、そして歴史的に周縁化されてきた集団や地域との交差性について考察します。講演者は、真に有効なAI倫理の確立には、先住民の視点、脆弱な立場の人々、そしてグローバルサウスを考慮することが不可欠であると主張します。

◇モデレーター
Amaël COGNACQ(B’AI Global Forumリサーチ・アシスタント)

◇主催
東京大学Beyond AI研究推進機構B’AI Global Forum

◇お問い合わせ
B’AI Global Forum事務局
Email: bai.global.forum@gmail.com