REPORTS

2024年度第3回BAIRAL研究会
「グローバルAI対話:日本、ナイジェリア、ドイツにおける生成系AIに関する公衆の認識を探る」報告

プリヤ ム(B’AI Global Forum リサーチ・アシスタント)

・日時:2024年10月08日(火)16:00-17:30
・場所:対面およびZoomによるハイブリッド開催
・使用言語:英語
・ゲストスピーカー:
Chiara Ullstein (Research Associate and PhD Candidate in Informatics at the Chair of Cyber Trust at Technical University of Munich (with Jens Grossklags), and Visiting Researcher at The University of Tokyo (with Hiromi Yokoyama))
Michel Hohendanner (Research Associate at Munich Center for Digital Sciences and AI (MUCDAI), PhD Candidate in Informatics at the Chair of Cyber Trust at Technical University of Munich (with Jens Grossklags) and Visiting Researcher at the German Institute for Japanese Studies)
・モデレーター:プリヤ ム(B’AI Global Forum リサーチ・アシスタント)
(イベントの詳細はこちら

2024年第3回BAIRAL研究会が2024年10月8日に開催されました。今回は、Chiara Ullstein氏とMichel Hohendanner氏をお招きし、「グローバルAI対話:日本、ナイジェリア、ドイツにおける生成系AIに関する公共認識の探求」と題した研究についてご講演いただきました。

本研究は、独自の文化的および技術発展的な背景を持つ国々における生成AI(GenAI)の公共認識に焦点を当てています。このイニシアチブは、東京大学が他の国際機関と連携して実施したもので、ジェンダー平等やマイノリティの権利保障に取り組みながら、デジタル技術の社会的影響についての理解を深めることを目的としていました。研究では、一般の参加者を対話に巻き込むことで、日本、ドイツ、ナイジェリアの生成AIに対する視点を比較しました。対話における主なテーマは、AIリテラシー、社会的価値、規制であり、研究結果からは慎重な技術採用、公衆の認識向上、そして包括的なインフラ開発の重要性が強調されました。

研究では、教育、公共サービス、芸術と文化における生成AIの役割についても注目しました。これらの社会的可能性に対する共通の国際的関心が明らかになった一方で、国ごとの特徴的な違いも浮き彫りになりました。例えば、ナイジェリアではアクセスの容易さとデジタルリテラシーが重視され、日本ではパーソナライゼーションに関する懸念が挙げられ、ドイツでは規制の重要性が強調されました。対話の参加者は、教育の促進、アクセス性の確保、倫理的なAI開発の推進を提唱し、社会技術的ギャップを埋めるための公衆の関与の必要性を強調しました。このプロジェクトは、参加型ガバナンスを促進し、生成AIが未来の社会形成に果たす役割についての理解を育むことを目指しました。