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2023年度第1回BAIRAL研究会
「推測のインターフェイスを実験する――アルゴリズムの遂行に関する研究のためのデザインに基づいたアプローチ」

◇BAIRALとは
BAIRALは、東京大学Beyond AI推進機構B’AI Global Forumの若手RA(リサーチアシスタント)が主体となり、月に一回のペースで開催している研究会です。B’AI Global Forumでは、AI社会におけるジェンダー平等とマイノリティの権利保障という社会目標の実現に向けて研究を進めております。その一環として、BAIRALではデジタル情報技術と社会の関係について理解を深めるために、毎月様々なゲストスピーカーの方にお話しいただいております。

 

◇開催情報

・日時:2023年4月21日(金)15:00-16:30

・場所:Zoomミーティング(事前申し込み不要)

・使用言語:英語

 

◇ゲストスピーカー

アルノー・クラース(関西大学 日本学術振興会ポストドクトラル研究員; 東京大学大学院情報学環 客員研究員)

 

◇趣旨

推薦システム、チャットボット、音声アシスタントなどの自動化されたメディアは、人間のコンテンツ制作方法や情報へのアクセス方法、そして周りの世界との関わり方などに大きな影響を与える。これらの技術は、私たちが何を見るか、どのように見るか、誰と一緒に見るかを一定程度決定することで、自分自身や他者との関係を築く際の重要な要素となっている。GPT-3のような新しい大規模言語モデルや、Dall-Eのようなテキストから画像への変換モデルは、これらの再構成を強化する可能性がある。

近年、ますます多くの公共メディアが、自分たちの理念の執行とオーディエンスのウェルビーイングを保証しながら、これらの技術をサービスに導入しようとしている。しかし、社会的責任のある技術の構想は、利益志向の組織から出されるデザイン原理だけでは成り立たない。したがって、このような公共機関にデザインのガイドラインを提供することは、社会科学や人文科学が取り組むべき大きな課題といえる。

残念ながら、これらの分野ではデザインベースのアプローチが一般的ではなく、そのために信頼性のある方法論を見つけることが困難になっている。この発表では、社会科学がこれらの問題にどのように貢献できるかを示すために、推薦システムに関する以前の研究プロジェクトで開発されたデザインベースの研究プロトコルを紹介する。本研究は、推薦アルゴリズムに対するコントロールをユーザーに提供することが、彼らのメディア実践にどのような影響を与えるかを明らかにすることを目的としている。この実験の結果を提示することで、公共機関のための新しい技術開発において、社会科学や人文科学が果たすべき役割について議論することができる。

 

◇主催
東京大学Beyond AI研究推進機構B’AI Global Forum

 

◇お問い合わせ
金 佳榮(B’AI Global Forum 特任研究員)
kayoungk[at]g.ecc.u-tokyo.ac.jp ([at]を@に変えてください)