2020.Dec.11
EVENTSMeDiシンポジウム
「ジェンダー・ギャップの解消に向けて―デジタル情報化社会におけるメディアの課題と未来」
MeDi(メディア表現とダイバーシティを抜本的に検討する会 略称MeDi)は、2017年5月に、テレビ、新聞、インターネットなど、さまざまな媒体での表現のあり方を考えるため、研究者と実務家で発足させた自主研究グループでした。このたび、MeDiは、東京大学Beyond AI研究推進機構・B’AIグローバル・フォーラムの場を得て、情報化社会・データ社会にある経済格差やマイノリティ差別が少しでも解消されるよう、多くの方たちとメディアと社会について考えるネットワークをつくり、研究や活動を続けていくこととなりました。今回はさらに発展したMeDiによる大型ローンチ・イベントです。オンライン・シンポジウムで、どなたもご参加できます。
【開催情報】
❖ 日時:2020年12月12日(土)16:00~19:00(二部制)
❖ 形式:オンライン生配信(MeDi ユーチューブ、CLP(Choose Life Project)ユーチューブ)
❖ 事前申込不要
❖ 言語:日本語
❖ 主催:東京大学 Beyond AI研究推進機構 B’AI グローバル・フォーラム/MeDi(メディア表現とダイバーシティを抜本的に検討する会)
❖ お問い合わせ:金佳榮(東京大学大学院情報学環特任研究員) kayoungk[at]g.ecc.u-tokyo.ac.jp([at]を@に変えてください)
【プログラム】
◎開会挨拶
・ 林香里(東京大学大学院情報学環教授)
◎第一部 (16:00〜17:15)
「女性が増えれば何が変わる?〜大手メディアがジェンダー問題に取り組み始めた」
<出演者>
・ モデレーター:浜田敬子(BUSINESS INSIDER JAPAN 統括編集長)
・ MeDiメンバー:治部れんげ(ジャーナリスト)、山本恵子(NHK名古屋拠点放送局 報道部 副部長)
・ ゲスト:岡林佐和(朝日新聞記者(ThinkGender担当))、藤田多恵((株)TBSテレビ 人事労政局担当局長)
<要旨>
この秋、NHKと朝日新聞がジェンダーに真正面から取り組む大型企画をスタートさせました。これまで大手メディアではなかなか大きく扱われることのなかった女性・子どもたちの問題ですが、最近少しずつ報道量が増えています。
背景には、典型的な「男性社会」と言われていた大手メディアで働く女性たちが増えただけでなく、少しずつキャップやデスク、部長クラスに女性たちが増えてきたことが関係しています。
メディア、特に大手のメディアは、組織内にジェンダー・ギャップが存在するだけでなく、長時間労働など働く環境の問題も抱えています。さらに新興メディアの出現やSNSの台頭でその存在意義も問われるようになっています。
その中で、少しずつ女性たちが声を上げ始めたことで働く環境が変わり、「何がニュースなのか」という価値観にまで変化が現れ始めています。
このセッションでは、実際女性たちが現場や意思決定層に増えたことで、具体的に何が変わっていったのか。また、何がまだ変えられていないのか、を議論します。
◎第二部 (17:30〜19:00)
「オンライン空間は女性にとって安全か?」
<出演者>
・モデレーター:小島慶子(エッセイスト)
・MeDiメンバー:李美淑(立教大学GLAP運営センター助教)、白河桃子(昭和女子大学客員教授 相模女子大学大学院特任教授)、田中東子(大妻女子大学文学部教授)
・ゲスト:江間有沙(東京大学未来ビジョン研究センター特任講師)、ヒオカ(ライター)、山口元一(弁護士)
<要旨>
既存のメディアよりも遥かに歴史が浅く、変化の早いネットの世界。オンライン空間は、まだ誰にとっても安全な場所とは言えません。第二部では、MeDiメンバーによる『足をどかしてくれませんか〜メディアは女たちの声を届けているか』(亜紀書房)刊行から一年、今年のオンライン空間におけるジェンダーをめぐるトピックを振り返りつつ、女性に向けられるオンライン暴力の実例、法的・制度的対策の限界、そして、オンライン・コミュニケーションのあり方をめぐる議論について考えます。さらには、人工知能(AI)を用いた対策の可能性と、科学技術分野におけるジェンダー・ギャップの影響にも目を向け、オンライン空間をより安全で豊かにするための知恵を探ります。