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2022年度第7回BAIRAL研究会
「メタバースの可能性と課題―メタバース工学部開講を機に」報告

佐野敦子(B’AIグローバル・フォーラム特任研究員)

・日時:2022年11月16日(水)18:30-20:00
・場所:Zoomミーティング
・言語:日本語
・ゲストスピーカー:稲見昌彦教授(東京大学 総長特任補佐・先端科学技術研究センター 身体情報学分野)
・モデレーター:佐野敦子(B’AIグローバル・フォーラム特任研究員)
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2022年11月16日(水)、B’AIグローバル・フォーラムの若手研究者が主催する研究会「BAIRAL」の2022年度第7回がオンラインで開催された。今回は、東京大学総長特任補佐・先端科学技術研究センター身体情報学分野の稲見昌彦教授をお招きし、先生が進めている自在化身体プロジェクトや、メタバースについてお話を伺った。

今回の研究会の企画は、メタバース工学部が2022年9月に開講したのがきっかけであった。ご講演では、メタバース工学部に限らず、先生が進めている自在化身体プロジェクトや、いまやトレンドとなっているメタバースの可能性や課題について広くご説明いただく貴重な機会となった。

稲見教授のご講演は、大きく3つのパートに分けて行われた。ひとつめは、教授が取り組んでいる自在化身体プロジェクトについて様々な実際の研究を交えながら紹介いただいた。続いては東京大学におけるVR研究や活用、そしてメタバース工学部の開講に至る経緯、そして最後はメタバースに関わる可能性と課題である。

続く質疑応答では、技術的な点や社会的な影響など様々な角度からの質問が寄せられた。過去に開発されてきたVRとの互換性、視標追跡の活用のアイデアとともに生体認証で個人特定の精度があがる危惧、地域によって倫理は異なるのに統一的なプラットフォームでよいのか、といった点である。教授は最後に、いままでないものなので課題がたくさんある、だが課題があるからやめようというのではなく、課題を洗い出し、それもわかったうえで使いこなし、いろいろな選択肢を増やしていきたいと抱負を述べた。